整えば自ずから痩せる

反感を買うだろうか。今年に入ってから今月までで4kg痩せた。ローペースだから大したことではないかもしれない。


僕は157cmと、男性にしてはかなり低身長な方ではあるが、昔から体重の変動は大きい。


大学受験の浪人時代、身長そのままで63kgまで増えた。受験太りという奴である。


大学に入学して、バドミントン部に勢いで入部。週4回の部活動と、1年生の頃は毎週金曜日の体育の授業があったため、冗談とかではなく、毎週1kgずつ痩せていった。


食事を抜いているとかではなく、運動量>>>>>体重維持の食事量に当時はなっていたんだと思う。面白いほどに体重は減り、どんどん身体は軽くなっていった。


そして到達したのが48kg。ここで体重は下げ止まった。当時の写真を見返すと、さながらマッチ棒のようである。


このときの経験から、僕の身体は大体48kg〜63kgの間で変動することを知った。


と言っても、48kgを維持できていたのはその後数ヶ月だけであり、2年生の半ばで退部するときには52kgくらいには戻っていた。


その後学年が上がる毎に体重も腹囲も成長していき、大学6年で再び国家試験受験生となったときにはやはり63kgまで増えた。6年間でしっかり元通りである。


卒業後は、やや痩せて60kg。毎日のように体重計に乗るも、せいぜい軽くて59kg、ほぼ水分の変化としか考えられない程度の変動で、「痩せたかも?」とぬか喜びを繰り返す日々が続いた。


この流れを変えたのが昨年頭、ヨガとの出会いである。


ヨガというと一般的にはジムで行われるようなポージング、ややアクロバティックな柔軟運動くらいの認識だが、僕の通っているところは一線を画していた。


そこはポーズが重要なのではなく、ポーズを通して自分の身体の感覚、その瞬間に自分が体験しているものに気づくことを重要視するヨガ教室。内面の探求を行う楽しい探求者の集いのような趣がある。


アーサナ(ヨガのポーズのクラス)に行くと毎回「自分にこんな筋肉あったんだ・・・」って愕然とするくらいニュータイプの筋肉痛に見舞われるが、不思議と不快ではなかった。


眠っていた身体のポテンシャルを揺り動かされるような感覚。数回通った後で、既に2kg程痩せていた。


ヨガによる柔軟性の強化で脂肪が代謝されやすくなり、インナーマッスルが鍛えられたことで基礎代謝もベースアップしたのだろう。


そして何より、自分の身体の感覚に鋭敏になれば、余分な脂肪を蓄えてきたことにも当然気づく。


安定していると思った、その自分の身体の違和感に気づくのだ。


しかしその後体重の減少は伸び悩む。まだ肝心なことには手を付けていなかった。


食事である。


昨年頭の第一次緊急事態宣言で自宅待機を命じられた2ヶ月間、毎日自炊生活を続ける中で、「塩と油と旨味があればだいたい美味しいと感じてしまう、既存のおいしさ」みたいなものに若干しんどさを感じた瞬間があった。


その時に思ったのが「野菜だけで美味しいご飯を作れるようになりたい」だった。


その願いは一年後叶うことになる。


生活改善第二の波は2021年初頭に来る。前述のヨガ教室で行われた発酵料理WS。


そこで自分でも驚くほど、発酵の世界に惹きつけられていくことになる。


その変化の裏には、年始早々行ったピロリ菌除菌のため1週間連続で内服した抗生物質による違和感もあった。


抗生物質とは、細菌を殺す薬剤である。ピロリ菌除菌のためのそれは、ピロリ菌以外にも腸内細菌などを多数殺してしまう。医学は完全なる善ではなく、何かしらの対価と引き替えにベターな結果を導き出すための方法の1つでしかない。それを身を以て学んだ。


そして本能的に感じた「菌を補わなければいけない気がする」この直感を補完するような発酵料理との出会い。タイミングが完璧だった。


そして抗生剤の内服は腸内細菌叢をリセットするまたとないきっかけになった。


発酵料理との出会いは、ヴィーガンやベジタリアンのような、野菜中心の食事へも開眼させた。


肉の入っていない料理なんて満足できない、と思っていた自分が発酵料理のヴィーガンメニューで満足してしまった。しかも食後の感覚がこれまでに感じたことがないくらい楽だった。


いかに今までの肉食が、消化に負担のかかるものだったかに気づいた。


繰り返し食べる野菜のみの料理で、腸内細菌が交代したのか、肉を食べた後の感覚の違いに自覚的になった。そして肉食の後でも太りにくくなった。


最近は肉料理も食べるが、頻度は圧倒的に減った。腸が小休止を要求してくるのだ。


昨日その瞬間は美味しいと思って食べたマックも、今朝の腹の中で依然と存在感を示していた。


肉食は、残るのである。


菜食発酵料理の世界に出会ってから、主食は酵素玄米をメインに据えたことで、

ヨガと出会ったときは一時的だった体重の減少が安定するようになった。


身体の感覚に気づけば、自ずとベストなバランスまで収束していく。


科学的に分析するなら、結局現代人の脂肪の大部分は余剰に取り込まれた糖分・炭水化物の生合成で生じるものかも知れない。


発酵食で腸内環境が整い、低GIの玄米食で食後の急激な血糖上昇を押さえ込めれば、食べても余分に蓄えられはしない。


ここまでで2〜3kg痩せていた。57kgくらいで安定し始めた。


とどめがランニングとの出会いである。走るのは元々かなり嫌いな方だ。自分でもここまで続くとは思っていなかった。


最初は家の近くを2kmほど。周回コースで距離を稼いでいたが、すぐに飽きた。


好奇心旺盛で、飽きっぽい自分にはもっとランダム性の高いコースが必要だ。


茂木健一郎が脳に良いのは旅先でランニングすることだ。と言っている記事を読んでからは、毎回走るコースを気分に任せることにした。


距離も片道満足するまで走ったら、帰りも好きな道を選んで興味に任せて走る。


これで現在55kgまできた。


あと習慣化するとすれば、ランニング前のHIITか筋トレ、コンスタントなヨガのアーサナなどであろうか。


157cmの理想体重は54kgらしいので、ほぼゴールは近い。


生活を1つずつ整えていけば、ちゃんと痩せるし、一旦身についた習慣にリバウンドの余地はない。


一過性の我慢で成し遂げるダイエットより、継続性も将来性もあると感じている。


あとは、冬になるとどうか、だけれどそれも自分なりに工夫するのだろう。


不思議ともうそんなに、太る気はしないのだ。


今は嬉々として以前の体型で着ていた服を捨てている。

松浦信孝の読書帳

本を読んで考えたことを中心に好き勝手書いてます。

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