20冊目 幸せについて

幸せについて語って陳腐にならないのはこの人くらいだろう。
詩人で知られる谷川俊太郎さんは、言葉の使い方がやさしい。

言葉に本音が乗っているから、使い尽くされたような表現でも着こなしてくれる。

1ページに数行ずつ、幸せについての谷川さんの考えが、短文で書かれている。

当たり前のようでいて、普段忘れてしまっていることを、谷川さんの年齢くらいの人から言われると、重みがある。


同じ事を言っても、陳腐にならない説得力は、まっすぐ生きてきた人ならではのものだ。


こういう状況だからこそ、目先の問題から頭を解放してあげるために、読書による深遠な問いが有効だと思う。


大きな災害って、社会の脆弱性を突きつけるだけじゃ無くて、人類全体に投げかけられた課題のようなものなんだと思う。


お金も大事、生活も大事、健康も大事。だけどそんなの普段忘れてしまっているよね。何気なく毎日を過ごしてしまっているよね。


大事なのが当たり前、っていう考え方を一度解放して、ゼロベースで物事を見つめてみたらどうだろう。


神様みたいな人がいるとしたら、人間にきっとそう言いたいんじゃないかな。



松浦信孝の読書帳

本を読んで考えたことを中心に好き勝手書いてます。

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