2022.09.19 08:58本が読めなくなった最近、本が読めていない。以前に比べて、という程度なのだけど。その変化は如実である。以前は電車に乗ると同時に、貪るように本を取り出したものだが、最近ではDuolingoで中国語学習に勤しむか、ジャンプ+でネット漫画を読むかである。読むべき本は無数にある。けれどそのどれにも、今は必然性を感じていない。これは悪いようでもあるが、いい傾向でもある。重大イベントを色々終えたところで、知識欲、みたいなのが治まったのだと思う。論理で色々詰め込むフェーズを終え、全身で、五感で、素のままの世界を味わう方が今は重要なんだと感じている。物語を味わう上で、先に知ってしまうことで感動が薄れることがある。いわゆるネタバレである。人生にもそういう瞬間が多々ある。武装しようと背伸びし...
2022.04.29 23:27騎乗の人昨日、勤務先の院長からいただいた体験チケットを利用して、埼玉県上尾市まで乗馬体験に行ってきた。昔、帯広の農業高校が舞台の漫画『銀の匙』を読んでから、乗馬に少し興味を抱いており、機会があれば、一度やってみたいなと思っていたのだ。北海道にいた時、牧場の馬や牛を車越しに見たことはあったけれど、乗ったことはなかった。だから偶然にもその機会が訪れ、休みのタイミングもちょうど都合が良かったので、勇気を出して予約をしてみた。電話で確認したところ、準備は長袖と靴下、軍手のみ。ヘルメットやブーツ、安全ベストなどはレンタルできる。電車を乗り継ぎ埼玉県の上尾駅へ。そこから10分ほどバスに乗って到着。ほのかに少し懐かしい牧場のにおいがするが、臭いわけではなかった。天気は薄曇り...
2022.04.27 10:31学歴のバイアスをこえてありがたいことに、「松浦くんは頭がいいから」と言っていただけることが、時折ある。大学の同期達など、自分より数倍頭の良い人たちに囲まれてきた僕自身は、決して頭が良いとは思えない。けれど、思うのも感じるのも個人の自由なので、だらしなく鼻の下を伸ばしながら、ありがたくその言葉を受け取る。人から信じてもらうことで発揮できるパフォーマンスも存在するのだ。頭が良いってなんだろうかという問いは、教育界をはじめとして古今東西様々な議論がなされてきたと思うし、定義するにもその実態には多彩な要素を含んでいるのでとても難しい。でも個々人がなんとなく、勉強ができてテストがスイスイ解ける頭の良さ、とか、スポーツ選手の瞬時に的確な判断をする賢さ、とかそれぞれの現象を間にした時に「...
2022.01.11 13:592022新年の抱負昨年末にある人から課題を授かった。それは、「バランス」昨年を振り返り、精神と身体に寄った上半期。仕事にシフトした下半期。その2つのバランスをもっと細かなスパンで切り替え乗りこなすこと。それが今年の課題。自分の中でも似たテーマがある。統合(Integration)である。両極端の世界を見た後に、最近こだわりの壁がどんどん溶けていくのを感じる。真理に近い方が偉い、とか読書しないとダメ、やらそもそも読んでいる本で人間がバレるとかそんなことはもはやどうでも良くて。世界には色々な考えの人がいて、そのそれぞれが各自自分の段階を一生懸命生きています。それで良いのです。という思いになってきている。だから、このままの風潮では世の中が腐る、だとかSDGsに専念しないと地球...
2021.09.26 16:16固有名詞の国際交流何年か前にできた、マレーシアの友人と連絡を取るために入れていたWhatsAppというアプリがある。LINEのようなものだ。それに先日、不思議なメッセージが来た。「こんにちは、はじめましてよろしくお願いします。あなたは日本の現地ガイドの山田さんですか?」いや、誰じゃい・・・?皆さんご存じの通り、僕は山田でもなければ、現地ガイドでもない。「いえ、人違いです」そのように答えたところから、何度かメッセージのやりとりをした。相手は中国人で、google翻訳を駆使して日本語でメッセージを送ってくれた。現在の日本のコロナの状況、観光の状態、お互いの仕事から生活の話まで。会った事の無い相手と、そんな話をするなんて!と思われる方も居るかも知れない。相手は本当は中国人じゃ...
2021.09.12 14:27おかえりモネ自分は普段ドラマを毎週欠かさず観られないタイプだ。毎週その曜日のその時間に、同じものを続けて観るという習慣化が出来ない。録画してまで観たいと強く思うこともない。演者さんには叱られてしまうだろうか。面白いか面白くないか、ではなく普段ドラマに人生の必要性をそこまで感じていないのだと思う。必要性とか言ったら、尚更怒られてしまいそうだ。でも、今回の朝ドラ、おかえりモネはNHK+という見逃し配信サイトを利用しているのもあり、毎週欠かさず観続けている。まだ先週のは全ては見ていないが、第17週83話まで1話も逃さずちゃんと追いかけている。我ながら凄いことだと思う。こんなにドラマを、特に朝ドラをちゃんと観たのは『てるてる家族』以来かも知れない。視聴率はそこまで良くない...
2021.09.02 15:03我のモンスターと牙を剥く言葉Facebookでの何気ないコメントや、Zoomの会に参加したときの自分の発言に、どうしようもない程の我の強さが流れ込んでいることをふと自覚して、恐ろしくなる。おやおや、この一年でそんな自分を手放したのではなかったかね?と小一時間問い詰めたくなる程度には、しぶとめの我はまだまだ残っているようだ。こうして誰が求めたでもない文章を書いて垂れ流すのも我の発露の一部ではあると思うけれど、これが我を抑える方向に向かうのか、むしろ増長させてしまうのかも今はまだわかっていない。でも、思考の熟さないまま気持ちを半煮えの言葉にしてしまうことで、自分を表現したつもりの言葉で誰かを嫌な思いにさせていたり、傷つけたりしている頻度はどんどん増しているような気がしている。少し前の...
2021.08.04 13:41「何を選ぶか?」という問いで未来の自分を選んでいる。最近身の回りでしきりに耳にする問い「何を書くのか?」派生型として「何を読むのか?」もある。人が生きるということにフォーカスしたらこの問いは無限に派生するだろう。「何を食べるのか?」「何を仕事にするのか?」「何を着るのか?」「何を持つのか?」「何に乗るのか?」自分が何気なく手に取るもの、口にするもの、袖を通すもの、所有するもの・・・なんとなく選んだとしても、それが既に自己表現になっている。未来への投資になっている。あなたが選んだそれに関して問いを付け加えるならば、「考えて」選んだだろうか、それとも「心地よさで」選んだだろうか?思考は間違いうる。世間的な評価、知らず植え込まれた宣伝、値段やスペックの比較・・・「損したくない」と思うことで本心からの声を歪めて...
2021.08.02 12:26本を読むために読書するわけじゃない本を読む。それを読書と呼ぶ、一般的には。今は、星の数ほどの出版物があり、そのほとんどがあっという間に絶版になっていく。単に消費される情報と、一人の人間の思考・行動を変えてしまう良書との出会いの違いはなんだろう。読んで面白かった!と感じて終わるストーリーと、物語の形で問いを投げかけてくる文学の違いはなんだろう。別に本を読むことに意味を求め続ける必要はない。「何かのために読む」のって結構しんどいことだと思う。本を読んで社会に騙されないようにするんだ!って肩に力を入れる必要も、最近はないかなと思うようになった。何かを否定するエネルギーは、何かを肯定するエネルギーと表裏一体だから、反対しようが賛成しようが世間の問題は消えてなくなりはしない。じゃあ何で読むのか?...
2021.07.22 00:174次元ふろしき生きていて楽しいと思う瞬間って、どんな時だろうか。美味しいものを食べたとき、好きな人と一緒に居られるとき、友達と笑い合っているとき人それぞれ、限られた時間軸の中で心に残るひとときを、宝物のように携えて未来に進む。上記のような楽しい時間と自分が感じるものを付け加えるとしたら、自分が何者か、断片的にでも思い出した瞬間を挙げる。人は一人の人間として教育を受け、成長し、社会の中で生きて、次の世代に何かを手渡して死んでいく。その一連の流れがミクロな視点の人生だとしたら、よく分からないけれどもっと壮大なスケールで展開していく自分の成長が、マクロな視点の人生として見えてくる。誰かの言動に心曇らせる瞬間、人を支配しようとしていた自分に気づく瞬間、同じような別れを繰り返...
2021.07.16 23:19滾るルサンチマン世間的にイライラしがちな状況が続く。自分も、油断すると宛先を見失った暴言や皮肉の投稿で誰かにイライラを広げてしまっている。こりゃいかん、生産性がまるでないぞ。と反省しながらこの感情の根源を探ることにした。
2021.06.10 12:22白と黒のはざまで2020年以降の自分が昔と変わった点は?というテーマでは過去に何度も記事にしてきた。けれどおそらく、根底の部分で地味だけれど重要な変化としてあったのは「白黒つけないグレーゾーンが広くなったこと」だと思う。理性か感性か、ではなく時に応じてどちらも。いい人か悪い人か、と決めつけたり、~な人に悪い人はいない、とかそういう変なラベリングを排斥すること。ラベリングは選民思想につながる。共同体意識がエスカレートすると集団的暴力が始まる。答えはいつも一つ、というのは学校教育の弊害の最たるもので、物事は大体のことが時と場合による、という事に気づき、保留解を持ち続けることこそが真の教養だったんじゃないかと最近では考えるようになった。答えを決めないと前に進めないじゃないか...